第340章 622.THE AGONY
「藍染………!」
ルキアの顔が 大きく歪む。
「久し振りだ朽木ルキア。とは言え、護廷隊を離反して後、君と語らった記憶は殆ど無いのだが。
ひとまず、副隊長昇格おめでとう。我々との戦いでの功績が認められて何よりだ。彼女の妹が 役職持ちでは無いというのは 見ていられなかったからな」
「……………貴様…無間に捕われた筈の貴様が何故此処にいる……!」
「戒めを解かれたのさ」
「莫迦な!一体誰に……!」
「ボクだよ」
その声に ルキアの視線が向く。
ルキアのみではない。護廷につく誰もが彼へと視線を向けると その名を呼んだ。
「………京楽隊長……………!」
「何故と訊くだろうから先に言うけど 彼の力が必要だと判断したからだ」
その言葉に 納得がいかないと一同が其々の思いを口にする。
しかし 京楽はその傘を少し深く被ると、呟いた。
「…………面子じゃ世界は護れない。
悪を倒すのに悪を利用する事を ボクは悪だとは思わないね。
きっと、臨ちゃんや浮竹がボクの立場でも 同じことをしたと思うよ」
その言葉に 絶句する。
「ーーーー……議論は終わった様だな。それじゃあそろそろ、両手の戒めを外して私を椅子から解放してくれるかい」
藍染がそう告げるものの、京楽はそれはできないと呟いた。
「何故」