第24章 24.6/17 op.8
グランドフィッシャーの腕が中途半端にくっつき、ブラブラと揺れる。
それに彼は悲鳴をあげた。
『うでが………腕がわしの体がああああああ!!!!!!!』
崩れ落ちるグランドフィッシャー
一護の腹部からも、血がダバダバと垂れる。ぐらつく身体が前へと倒れようとした直後、優しい暖かさに包まれて一護は小さく声を漏らした。
「臨………」
刀を入れている鞘が、背中から外れ地面へと落ちる。
「よぉ、遅かったじゃねーか。」
「……。」
何も言わない臨に、その目を閉じる一護。しかし直後、ある人物の一声に一護の意識は覚醒した。
「後ろだ臨殿、一護!」
迫り来る虚の爪。それを臨が間一髪で一護を抱いたまま飛び上がり避ける。
『おあああああああ!!!!!!』
雄叫びをあげる虚、その肉体が疑似餌へと吸い込まれていき、3人の表情が固まる。
「な………」
「ひひ……小僧、おまえは初めてわしの姿を見た時に問うたな……この疑似餌はわしの一部か?と。つまり"本体はおまえか?"と問うたな……その問いに答えよう。」
母の顔をしたそれが顔を歪め、笑う。
「答えは否!!どちらも本体だ!!!どちらか片方が傷付けばもう片方に逃げ込むだけのこと!そして今こちらの体に逃げ込んだわしを、おまえは最早斬ることはできん!!」
「てめえっ!!!」
「やめなさい一護!!」
臨の声が響く。その声に虚が高らかに笑うと、再び声をあげた。
「そうだやめておけ!!視覚の発達したけものは全て視覚に支配される!!そうおまえは、中身がわしだとわかっていても母親の姿をしたわしを斬ることはできんのだ!!」
とびあがる虚
「まあたとえ、斬れたとしてもその体ではわしを追うことなどできんだろうがな!!」
「っまてよ!!」
「一護!!」
しがみつく臨の肩を押し退けようと一護の力が強くなる。
「まだ……まだあいつは死んでねえ!!俺はまだ戦える!!まだ……」
臨に倒れこむ一護。それを抱きとめると、ルキアは一護の名前を呼び駆け寄ってきた。
同時にコンがあわてて寄ってくる。
「臨殿……!」
「……血を失った上で興奮して意識を失っただけです………それに、死なせはしません、絶対に。……………生きててくれてありがとう……一護。」