第23章 23.6/17 op.7
『どうした、名を呼ばれただけでもう身動きがとれんか!!ひひっ!!』
グランドフィッシャーが笑う。
「てめぇ……おふくろの姿を!こんな場所にかつぎ出すんじゃねぇよ!!」
直後、目の前に飛び出してくる疑似餌に一護の剣が鈍る。
「だめよ一護!刀を引いて……!お願い、母さんを斬らないで……!」
そう泣いて懇願する母の形をした何か。
直後、その腹から何かが飛び出し、一護ごと貫いた。
『言ったろう、"怒りは刃を鈍らせる"と!終わりだ小僧!そして敬意を表しよう!!おまえはわしが出会った中で最も若く、最も短慮で、そして!最も弱い死神だった!!!』
悲鳴のような笑いが辺りに響く。
一護を喰らおうと大口を開けた瞬間、グランドフィッシャーの肩に刀が刺さった。
『……あ?』
「やっと…………捕まえたぜ!」
腹にめり込んだ虚の爪を無理やり抜く。
「"怒りは刃を鈍らせる"か……確かにそうかもしれねえ……けどなグランドフィッシャー、あんた一つ勘違いしてる。テメェ程度の奴を倒すのには、その鈍った刃で充分だってことだよ!!」
虚の肩に刺さった刃に力がこもる。
「終わりだグランドフィッシャー!そして敬意を表しよう!テメーは俺が出会った中で、一番年喰ってて、一番汚くて
そして一番カンに障る虚だったぜ。」
一閃