第23章 23.6/17 op.7
『ひひっ、驚いておるな』
そう言うグランドフィッシャーは薄ら笑いを浮かべる。
『わしは6年前のことなど覚えていない…….確かにそう言った筈なのに、なぜこうしておまえの母親の姿をつくることができたのか……それが不思議でしょうがない、そういう顔をしておるなあ!!』
「てめえ……」
一護の顔に苦悶が浮かぶ。
『気がつかなかったか?わしがおまえを攻撃する時、こっちの手だけをつかっていたことに』
左手からずるりと爪が覗く
『こちらの手で敵の記憶を覗き、そいつが最も斬ることのできぬものを探す。』
右手をコキリと鳴らすと、虚はひひひと笑った。
『そして、こちらの手でそれと同じものを作り上げる!』
「………!」
『どんな冷徹な死神も決して斬ることのできぬ相手が一人はいる。それは必ずだ!それを捜し出すことでわしはこれまで死神どもを退けてきた…….そしておまえにとってその相手とはこいつである筈なのだ!!』
「………そうでしょう、一護………!!」
「行かないのですか?」
「え」
ルキアのそう問う声に臨がキョトンとする。
「一護を助けに……」
「ルキア………わかっているでしょう、これは、誇りを守るための戦いだって。」
再び霊圧のある方へと顔を向ける臨。
その言葉にルキアはかつての人物を思い出すと、下唇を噛んだ。
「……」
「でも、今回の虚って強いんでしょ?」
コンがそう続ける。
それに臨が再び視線を向けると、彼はあいつ死んだりしないスかねと頭をかいた。
「わかりません」
臨がそう答え、コンはキョトンとする。
すると彼は途端に真剣な顔をした、臨に言った。
「じゃ、オレからお願いします。一護を助けに行ってやってください。」
再び臨の目が丸くなる。
するとコンは唐突に土下座してこの通りっスと頭を下げた。
「よ、よしなさいコン、男がそう軽々しく頭をさげるなど」
「軽くねっスよ。」
その声はまるで真剣で
しかし、直後おちゃらけたようなこえに臨は驚いた。