第306章 543.LETTERS
「…….ホントだ 落ち着いてるねぇ
頭からツッ込まなかった。落ち着いてる、落ち着いてよォ〜〜〜」
その男は 心のこもっていない拍手をバズビーへと向けた。
「ナックルヴァール……てめェ何の真似だ……」
「助けたのさ、喧嘩は良くない。陛下は争いを好まれないしそれにーー野次馬の眼もある」
ナックルヴァールの視線が 恰幅のいい男へと向けられる。
「ゲッゲッゲッ」
「やめときな どっちもさ。こんな戦いオイシくも何ともない。
特にあんたには 毒にしかならない。わかってる筈さ
なァ 次期皇帝」
窓一つない 与えられた部屋に 唯一の装飾であるAの文字が浮かぶ。
「………暇 ですね」
それに臨は己のベッドへと横に倒れると 近寄る気配に目を伏せた。