第306章 543.LETTERS
白い廊下 怒鳴り声が響く。
「どうなってんだよ!?何がどうなってんのか全っ然わからねえ!!あいつらは何なんだよ!?誰か説明してくれよ!!」
モヒカン男……バズビーが荒れる。
「説明か」
『女の方は恐らく 霊王の劔だろう。特徴が一致している。男はーー……』
マスク・ド・マスキュリンとベー・ゲー・ノイン(BG9)がそう続けるもののバズビーは納得いくかよと苛立ちを露わにした。
それに 駆け出す。
「おおい!どこへ行くバズビー!!」
「陛下ントコだ!やっぱりこのまま黙ってらんねえ!」
「やめろバカモノ!そんな事 陛下がお許しになると思うか!バズビー!!」
マスキュリンが制止の声をあげるものの、バズビーは聞こうとしない。
しかし、目の前に突如現れたその人物に 彼は立ち止まった。
「……ユーグラム」
「どこへ行く バズビー」
「……あんたこそどこにも行かねえのかよ?俺はよォ、陛下の後継者はてっきりあんただと思ってたんだがな。
あんたが後継者なら 殆どの騎士団員は文句無かっただろうぜ。それなのにあんた自身は何も無えのかよ!?」
「ーーー陛下の御意志が全てだ。私如きが口を挟む余地は無い」
その言葉に バズビーは舌打ちした。
「だったら今すぐその椅子ゆずれよ!!あんなポッと出にくれてやって平気な椅子なら 俺が奪って座ってやらァ!!」
「…落ち着けバズビー」
「あァ!?俺なら落ち着いてンぜ!今のあんたよりずっとな!!」
バズビーが構えようとした次の瞬間 その玉は目の前を通過し 一気にその場を冷静にさせた。