第291章 502.散桜
消えゆく兄の気配に ルキアはかける。
「兄様……………兄様!!!」
その途中 よく見慣れた濡れ烏の髪の彼女を見つけると 心に落ち着きを取り戻し その死覇装を掴んだ。
「姉さんっ!!兄様が……兄様が!!」
その澄んだ瑠璃の目が そっとルキアを見下ろす。
「ああ」
「行きましょう姉さん!!」
そう言って 再びルキアが先導する。
すると彼女は ゆるりと口を開いた。
「戦いの最中に "敵"に背を見せるとは
舐められたものですね」
ルキアが 振り向く。
それとほぼ同時に 大量の黒い影が 彼女を襲った。
赤が 散る
「臨………姉…………さ……」
ルキアの目に 臨の澄んだ瑠璃の目がやけに鮮明に映る。
「ーーーーーお別れだ ルキア」
臨が再び口を開くと同時に 二撃目が 彼女の頭へと衝撃を与えると 彼女の意識は闇へと飲み込まれた。