第282章 483.KriegsErklärung
濡れ烏の髪が 風にふわりと揺れる。
覚えのないはずだというのに 懐かしい不快な香りに 一番隊隊舎の方へと顔を向けると ルキアは彼女にどうかしましたかと質問した。
「………いえ、多分気のせいです」
瑠璃の瞳が 緩やかに濁る。
「さあルキア!今日は折角の非番ですし、こないだ瀞霊廷通信に載っていたデラックス白玉あんみつを食べに行きますよ!」
「ね、姉さん!そんなに引っ張らないでください!」
本能的な嫌な予感に 臨は無意識に己とルキアの霊圧を隠す。
思い出せない
思い出したくない
だって
私はこの子を 殺せない