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POLLUTE【BLEACH】[R-18]

第264章 ---.冬は終わり 椿は夏の夢を見る。


















「臨!!」
静かな一人きりの病室。臨は近づいてくる霊圧を感じ取り その部屋の入り口へと目を向けると 息を切らすその人物に 病室ですよと苦笑いした。
「目が覚めたと聞いて………ゴホッ」
咳き込む浮竹に 臨が心配そうな顔をする。
「顔色が悪いですよ。無理をしないでください」
その言葉に 浮竹はどっちがと言うと、臨のベッドの側にあった椅子へと腰をかけた。
「………とにかく、生きていてよかったよ」
その言葉に臨はほんのりと口元に笑みを浮かべると 窓の外へと目を向け口を開いた。
「本当にそうでしょうか」
その言葉に 浮竹の目が見開かれる。
「臨……」
「羽澄は言いました。復讐だって。大切な者を……父を殺された復讐だと。私が今まで殺した者にも 家族がいた。大衆悪と呼ばれる人間にも 大切だという輩がいたんです。
羽澄だってそう、私は羽澄の父を殺し 彼女を孤独にしました。
けど、私はそれに罪悪感一つない。私は尸魂界の秩序を守っただけだって。………私が今まで殺してきた 大義名分を掲げたあの輩たちと私は何一つ変わらないんだって気付いたんです。
私は生きている価値のない 大衆悪と呼ばれる者と何一つ変わらない………!」
次の瞬間 臨の肩を浮竹が抱きしめる。
「なあ浮竹、私はなんなんだ。何故四十六室は私に命令をして 何故私はそれに従っている?何故私には記憶がない?総隊長は何故私に何も教えてくれない?何故………」
臨が顔をあげた瞬間、浮竹はそっと唇を重ねた。
「うきたーーー」
そして直ぐに離れ その手が臨の頬に触れる。
そしてそのままもう一度キスをすると、今度はベッドに入ったままの彼女の腰に腕を回し、優しく抱きしめた。
「俺は臨が何なのかも知らないし、今更知る気もない。君は芭蕉臨で 俺の好きな人だ」
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