第3章 思い出の味。
開けた途端に甘くて香ばしい匂いがした。
「アップルパイ・・・」
沢山りんごが詰まった大好物のアップルパイが入っていた。
レトルト「そ、好きだったよね?」
私さコクリと頷く。
以前彼が急にお菓子を作るのに目覚めたことがあった。
その時は見様見真似で作ったため焦げたりしてたけど甘い味が残っていたのを今でも覚えている。
レトルト「3年ってきりがええやん?だから、あの時のように好きなものを作って上げたくて・・・」
「それで、毎日遅かったの?」
レトルト「そ、なかなかうまくできなくて笑」
「お恥ずかしいけど」っと照れくさそうに笑った。
「そうだったんだ…すっごく嬉しい。ありがとうっ」
アップルパイが入った箱をテーブルの上におきギュッと彼に抱きついた。
帰りが遅かった謎が分かり、私へのプレゼントで胸がいっぱいだ。
「あ!、私もプレゼントあるの」
っと、嬉しさのあまりに忘れかけていたプレゼントを彼に渡した。
レトルト「・・・これは」
「好きでしょ?笑」
プレゼントはカニをモチーフにしたネックレスだ。
レトルト「めっちゃかわええやんっありがとうっ」
チュッとデコにキスを落とす。
恥ずかしいけど嬉しい。
私はキスされたところを手で抑えた。