第3章 思い出の味。
『誰がばぁかだ』
声がしてハッと顔をあげる。
レトルト「遅くなってごめんな?」
いつもの関西弁で、そっと袖で私の目元を拭う。
緊張の糸が緩んだのか、さっきあんだけ涙流したのに彼の顔を見た途端に涙が止まらなくなった。
泣きじゃくる私に
レトルト「忘れてるわけないやん」
と言いながらギュッと抱きしめてくれた。
久しぶりの彼のぬくもりにしばらく体をあずけた。
レトルト「泣き止んだ?笑」
「うん・・・」
ゴシゴシと目をこすりながら彼を見つめる。
「ねぇ…」
レトルト「ん?」
「なんで遅くなったの?それに最近ずっと遅かったのはなんで?」
ずっと聞きたかったことをやっと口に出来た。
彼は少し照れくさそうに頬をポリポリとかきながら白い箱を私に渡した。
「?」
レトルト「開けてみ?」
私は言われるがままに箱を開けた。