第9章 お揃いのもの
ドアを開けるとイケメン2人が苗字を出迎えるために立っていた
「やあ名前ちゃん、気持ちの良い朝だね
君のような可愛く美しく可憐な貴方と休日を過ごせるなんて…オレは今世界で1番幸せだ」
「ごめん名前っち…オレに森山先輩は止められなかったっス…」
「お前が1人で行こうとするからだろう。オレだって名前ちゃんのお迎えに行きたい!」
「オレがエスコートするつもりだったのに…」
森山の横で唇を尖らす黄瀬を見て、クスクスと苗字が笑う。そんな彼女を見て黄瀬は「朝ドア開けたらいきなりいたんスよ!」と彼の朝から大変だった話を聞かされる
『黄瀬君も森山さんも早くからありがとうございます。』
「君のためなら早起きなんて余裕さ」
「そーそー!名前っちのためならよゆーっスよ!」
『でも、そろそろ行きましょうか』
「そうだな。いつまでも玄関先で話してる訳にはいかない」
外に出ると、適当な雑談が始まった
『そういえば黄瀬君、そろそろ誕生日だね』
「そうなのか?ついに酒が飲めるな」
「まーだ飲めないっスよー、森山先輩オレの誕生日覚えてくれてるんスか」
「女の子の誕生日は覚えられても男の誕生日は覚えられん」
「ヒド!」
『とかいって、覚えてあげてるんですよね』
「…6月18日、誕生寿司は鉄火巻きだ。寿司言葉は熱き心」
「誕生寿司ってなんスか」
「ちなみに笠松の誕生寿司はづけだ」
合コンのネタを披露する話題に花を咲かせ、森山自身の誕生寿司ははまち、寿司言葉は確信だそうだ
そんな会話をしているうちに、笠松との合流地点に辿り着く
「よう、久々」
「笠松センパーイ!お久しぶりです!」
『お久しぶりです』
「お、おう」
少しよそよそしい答えを彼女は既に知っている。蛇足であるが女性が苦手で合コンで1度やらかしてしまった話もどっかのお喋りから聞いている
そのため少しぎこちない距離感も彼女は気にせず、並んで会場へと向かった