第7章 帝光へ
彼女がの撃ったシュートがリングをくぐった時、試合終了を告げるブザーが鳴った
苗字が得点を確認してため息を吐くと、黄瀬がガバッと抱きついた。彼女の司会には、彼の後ろに緑色の頭が少し見えた
「名前っちさすがぁ!ブザービーターッスよ!」
「お疲れなのだよ。あの距離から入るとはな、褒めてやる」
『まぐれじゃない?』
「十分っスよ!練習でいくら入っても本番でミスしたらダメなんスから!」
『これ練習でしょ?』
「そーゆーイミじゃないんス!!」
黄瀬がギャーギャー騒いでいると苗字の後ろから汗だくの紫原が近づいていき、ベリッと彼から彼女のことを剥がした
「おつかれー、名前ちん暑そ~」
『うん。暑い』
「どうだった名前ちゃん、楽しかったっしょ?」
『疲れたけど、楽しかった!』
「名前がブザービーターを決めたことは驚いたよ」
「まあ勝ったのオレらだけどね~やったねバーゲンダッツ~」
紫原の言葉に黄瀬はピタリと止まる。そして赤司の方をくるりと向いた
「え、流れ的にオレらが勝ったんじゃないんスか?」
「流れ的にはな。だが点数的にはオレ達の勝ちだよ」
「もしかして黄瀬クン、点数見てなかった感じ?」
「仕方ないじゃないっスか!必死だったんスもん!」
赤司曰く、彼らは確かに点を取っていたのだが、後半に増えたため、前半多くとっていた赤司チームはシュートが減っても勝てたというのだ
言われてみれば…と考え始めた黄瀬は納得する他無く、紫原にバーゲンダッツを奢ることになってしまった
そんな彼を置いておき、苗字は汗を拭きたい、飲み物を飲みたいという気持ちからベンチに向かう
「お疲れ様です名前さん」
「お疲れさまー!名前ちゃんすごかったね!」
「あいつら相手によくやったと思うぜ」
「お前の割によくやったんじゃねぇの?」
彼らの言葉を聞いて苗字は「うん」とだけ返してドリンクを飲み、ベンチに座り「疲れたぁ…」とだけ呟いてタオルに顔を埋めた