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【黒子のバスケ】トリップしたけど…え?《4》

第7章 帝光へ




誰かに頭を撫でられている感覚がする。懐かしいと思って、無意識に目を細めるとその人が悲しげに笑った

水の中にいるような感覚で誰かがうまく分からないが、落ち着くその声に彼女は微笑を浮かべた


「あ、名前ちゃん起きた?」


『さつき、ちゃん?』


「まったくーみんな名前ちゃんがいるのに本気でやるんだもん!
疲れて倒れちゃっても仕方ないよねー大丈夫?」


『…だ、いじょうぶ』



苗字が上体を起こすと、何かがズボンの上に落ちた。恐らく冷たかったがもうぬるくなってしまったタオルだった

その冷たさを置かれていた場所の熱が奪ったのだろう。おでこに冷たさが残っていた




「あ、名前さん起きたんですか?」


「テツ君!」


「お疲れ様です…流石あの3on3は疲れましたね」


『うん…すごい疲れたけど、楽しかった』


「そうですか」



嬉しそうに微笑む苗字の「楽しかった」という言葉に桃井と黒子も笑みを浮かべる

彼女の性格が、記憶が違っても根は同じなのだ。そう感じた2人のうち、桃井が苗字に抱きついた




「名前ちゃーん!!」


『うわっ…ちょ、倒れる倒れる!』


「危ないですよ」



桃井からの衝撃に倒れそうになるも、黒子からの咄嗟の支えで倒れることはなく、彼女は安堵の溜め息を吐いた

そこに高尾が寄ってきて、苗字に「あんな奴ら相手にして無傷なのがすげーよ」と笑いながら肩をバンバン叩いてきた。むしろ今傷を負いそうである




「でも、名前ちゃんまだもう一試合残ってるっしょ?」


『…え?』


「黒子のチームはもうオレ達とのチームと戦ったし、そっちのチームとも戦ったけど、名前ちゃんのチームはまだ、オレ達のチームと戦ってねぇっしょ?」


『確かに』




あのチームに勝ったんだから一体どんな試合になるのだろうか…と想像した彼女は再びため息を吐きそうになった

だが桃井の「名前ちゃんのこと応援してるね!」という言葉に、力強く頷いた




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