第7章 帝光へ
白熱どころではなかった。黒子は幻影のシュートで苗字のブロックをすり抜け、初めて見た彼女は「ボールが消えた!」とものすごく驚いていた
その後黄瀬は青峰も反応できないほどの速度のドライブで目の前の彼を抜き、そこにヘルプに来た黒子のバランスを崩してアンクルブレイクを起こし、同様に来た火神のブロックを嘲笑うかのようにボールをゴールに向かってぶん投げた
『黄瀬君すごいね!』
「まだまだっスよ」
『…まだまだ?』
「青峰を見るのだよ」
なんで青峰君…?と思いながら苗字が見ると、彼の目元から雷みたいに青い光が出ていた
今までの雰囲気とまるで違う彼の迫力に彼女は思わず息を止めてしまった
「おら、火神もゾーン入れよ」
「はぁ!?無理だっつの!」
「前ぽんって入れただろーが」
「むーりーだっつの!」
彼らのこのような光景をを見るのは本日何回目だろうか、試合を再開できずにイライラしている緑間を放っておき見ていると、気づいたら火神はゾーンに入っていた
「黄瀬、いけるか」
「とーぜんっスよ」
そこからの彼女には記憶がない。記憶喪失ではない、ゾーンに入った彼らについて行くのが精一杯で本当にうっすらとしか記憶がない
黄瀬による天才5人たちのコピーに対し無茶苦茶なのにキレを出す青峰、跳躍と動きが増した火神にブロックとシュートにキレが増した緑間
そのサポートに黒子と苗字に回っていたはずなのだが、彼女は必死に彼らに、ボールついて行っていた記憶しかなかった
結果、緑間のコピーをする黄瀬とその本人緑間によるスリーにより、シュートの本数は相手より少ないものの勝つことが出来た
「あーくっそ両方負けちまった!」
「いやっつーか…やべぇ、超疲れた…」
「…勝ったか」
「めっちゃ疲れたっス!赤司っちー3on3少し休憩もらってもいいっスか?」
「お前らが無駄に試合を長引かせたせいでそもそも3on3する程休憩時間が残っていない」
「あんだけ時間あったのに何でこんな時間経ってんのかね~」
ケラケラと笑う高尾の横にいる紫原が「じゃあまた後での休憩でだね~」と独特の雰囲気を出しながら言った
彼の目線の先では、黒子と苗字が疲れから床に倒れていた