第7章 帝光へ
これはおそらく皆動揺した。赤司と黒子は目を見開いており、桃井はスクイズを落とした。床がビショビショである
緑間は高尾からのヤジにツッコミを入れ忘れ、火神は関係あるのかないか置いといてバッシュが脱げた。紫原に至ってはお菓子を落とした。泣きそうだ
一番被害が及んだのは黄瀬と青峰である。動揺した黄瀬は苗字からのパスを手で受け止めることできず、見事顔面でボールを受け止め、青峰に至ってはパスを止めようとして勢いあまり、転がった
普段の彼の敏捷性、バランスはどこに行ったのかと聞きたいくらいに、本当に見事であった
「名前っち今オレの名前呼んだ!!」
『き、黄瀬くん鼻血「呼んだっスよね!!」』
「黄瀬君気持ち悪いです。青峰君起きて下さい」
「黒子、そんなこと気にせず試合続けるのだよ」
「そんなことってなんだよ緑間!」
「お前らが怪我するのはいつものことだろう。黄瀬、鼻血はどうだ」
赤司の言葉に鼻の辺りを手で擦ると血が止まっていることを確認した彼は「止まったっス!」と桃井からウェットティッシュをもらい顔についた血を拭き取っていた
モデルである彼が鼻血で顔を汚しているのを見た後輩達はざわつき、彼のファンでもあるマネージャーはその姿に胸元で手を握りながら「かっこいい…」と呟いていた
「再開させて平気か?」
「大丈夫っス!青峰っちは?」
「は?お前と一緒にしてんじゃねぇよ。楽勝だわ」
「心配してあげたのに酷いっスー!!」
先ほど黄瀬が名前からのパスを受け止めきれずにボールを出してしまったため、ボールは光と影チームに渡された
黒子から火神にボールは渡り、緑間がボールをドリブルする彼の前に立つ。一定のリズムでドリブルをしていたが彼はボールを持ち、何故か3Pを撃った
先ほどまでとはいかないが、皆驚いた。だがゴールの近く、青峰が空中でボールの軌道を変えるようにゴールに叩きつけた