第2章 プロローグ
あれから何時間後か、やばい寝ちゃった!!と焦って急いで起き上がると、なんと一面オレンジ色の空間で、天井も壁も見当たらなかった
まるで丸いドームのような空間に思わず「は…?」と間抜けな声を上げると、あたしの声が少し響いた
『…雨の中家帰ってきて、部屋で寝たはずなのに…どこだここ』
唯一あるのは自分が今寝っ転がっている床のみで、ここに留まろうかと思ったが立ち上がって自分の服装を見た。雨に濡れたはずなのに湿ってすらない。服はまるで何事もなかったかのようだった
髪も確認すると黒かったため、恐らくトリップではない。なら…どこなんだここは
その疑問を解消するために歩き出すとポンスキーと呼ばれる犬がおり、あまりの事に驚いていると急に喋りだした
「やあ、こんにちは」
『えっ、に、2号!?喋んの!?てかなんで!?』
ポンスキーとはポメラニアンとハスキーのミックス犬で、テツヤ2号にとても似ているとどこだかのまとめサイトで見たことがあったため、思わず近づくと目元はテツヤそっくりだった
そんな彼に「どうしてここに!?つか何で喋んの!?」と聞くと、急に「ああ、この犬の名前は2号と言うんだったね」とか言い出して、こいつ2号じゃないんかい。とツッコミを入れたくなった
そして彼は「動物になるのはなぁ…」と言い、あたしに向かって話を始めた
「君を、迎えに来たんだよ」
『…迎え?え、あたし死んだの?ここ三途の川?』
「いや死んでいない、生きている。現在普通に君は寝ているよ」
『え、じゃあこれ夢なの?』
「そうだ。夢の中だが、現実のようなものだ」
『あ、えっとー…夢の中…だけど現実と繋がってるみたいな?』
「そうだね、その通りだよ」
『ふーん…』
とりあえずここが現実と繋がっていることは分かった。と言うと、2号は座っていた状態から四足で立ち上がり、首もとをポリポリとかいてから再び話を始めた