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【黒子のバスケ】トリップしたけど…え?《4》

第51章 ずっと一緒に





「なぜもう1人のオレが名前を眠らせたんだい? 」

『そもそも2号…征一郎はあたしの願いを叶えてくれてて』

「…ああ」

『1つ目がこの世界に戻りたいこと、2つ目がみんなのことを忘れたいって思っていたこと

忘れたことで藍色という人格を作り上げたって、話したよね?』

「前に言っていたね」


悪い意味じゃないことを赤司は知っている

自分だって高校生の頃に忘れてなければどれだけ苦しい思いを抱いていただろうか

きっと彼女もそうだったんだろうと、理解している彼は説明した時も今も深くは聞いてこない


『…今回のは3つ目の願いを叶えるための試練だったんだって』

「3つ目?」

『だから夏祭り子供のフリして現れて、りんご飴を食べさせて眠らせたんだと思う

それで消えたあたしをみんなに探させて、ヒントを出すように黛さんの夢に行って帝光に戻って白雪姫の世界に行って…ずいぶん簡単な気がするけど、これで試練は問題なくクリアしたって、征一郎が』

「…3つ目の願いはなんだったんだい?」


伝えて喜んでくれるだろうかと、苗字の心臓がドキドキと大きく動く

一瞬視界を下げてからゴクリと唾をのんで、赤い両目を瞳に映下


『ずっとこの世界に、みんなと一緒にいたいって、願い』


先ほど同様に驚いたのか、彼の表情が動いた。普段に比べて幼い印象を抱く

少し揺らいでいる赤い目と見慣れない苗字のオレンジ色の目の視線が交わり、何を考えているのか読もうとするが瞳からは何も分からない


「…それはつまり、名前が消えることはもうないということでいいのか」

『征一郎が言うことが本当ならそういうことじゃないかな。試練乗り越えたってことだし』

「じゃあオレは、名前が消える心配をしなくていいんだね」


揺らいでいた瞳から水が零れ赤司の頬を伝っていく。日に当てられる彼の顔がより一層綺麗に見えて一瞬息が止まった

そんな彼の頬に手を伸ばして伝う涙を親指で拭うと、苗字の手に骨ばった手が添えられる





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