第7章 帝光へ
という訳で巡り巡ってやって来たのはまず1年生の教室である。まあ土日であるが故に授業はないため、わざわざ職員室に行って鍵を貸してもらったのだが、その際に少々長話になってしまったのはまた別の機会に話させていただこう
「ここが、名前ちゃんが1年の時の教室だよ!」
『教室も広いねー!黒板もおっきいし…』
「1年生の時は黄瀬とオレと同じクラスでね、帝光祭ではオレと名前でスタンプラリー優勝したんだよ」
「あ!そのスタンプラリーに優勝すると幸せなカップルになれるってやつだろ?」
『…カップル?』
「ばっ、バカ高尾!」
思わず”やってしまった”と言う顔をする高尾と緑間、そして青ざめている火神の顔を見れば何となく一目瞭然であるが、現在の苗字はどうやら理解できないようで、顔を傾けた
それを見た紫原は名前の前に立ち、彼女の肩を掴んだ
「名前ちんと赤ちんは優勝したけど、優勝商品である遊園地のチケットをみんなで行っちゃったからその幸せなカップルって言うのをみんなで分けちゃったんだよー
だから、オレ達こんな仲良しなんだよ~」
『カップルじゃなくて仲良しになっちゃったんだね…それはいいことだね!』
「(うっわ~純粋)」
「後は体育祭でも赤組で優勝してねー…」
「…そう言えば、苗字はずっと赤組だったな」
『へぇ…赤と縁があるんだね』
自分自身が「赤に惹かれている」と分かっているからそう言ったのか、それともただ単に赤に縁があると思ったから言ったのか、それを赤司は考えながらも他につらつらと話を進めていた
どれも初めて聞く話のように聞く彼女になんとなく希望を少し無くしながら、次に2年生の教室へと歩き始めた