第50章 ただいま
気が付けば赤司と苗字の2人
いつも通り彼女を送り届け得るため歩いていると、赤司が向こうの世界の記憶を思い出す
時間的には何時間しか経っていないが向こうでは1ヶ月以上を過ごしていた
そうして毎日彼女を送り届けていたことが懐かしいと目を伏せてから、隣に歩く彼女の指に自身の指を引っ掛けた
「向こうの世界でもこうやって歩いたが、覚えているかい?」
『うん。いやー今思い出すとみんながボロ出して征十郎とテツヤがフォローするの、めっちゃ面白かった』
「昔の名前を見ているみたいで面白かったよ」
『ちなみに席替えは細工してた?』
「していたね」
『めっちゃ平然と嘘ついてたじゃん。征十郎に浮気されたら気が付けないかもなあ』
冗談のようにケラケラと笑う彼女に赤司が「そんなことすると思っているのか」と問いかける
そんなことは思っていないが彼の嘘つくときの態度は他の人物に比べ分かりにくく、というより変化がなかった
きっと嘘をつかれても気が付けないだろうと考える苗字は記憶より騒がしかった帝光の記憶と、その後に起きた不思議な空間を思い出す
そうだ。あれが浮気に入るのかも、2号の正体も話さなければと小さく息を吐いた
『さっきみんなには話さなかった話してもいい?』
「どこか入ろうか?」
『そうね外暑いし…でも今これ以上食べたら夕飯が入らなくなる気がする』
「カフェとかでもいいが」
『…出来たら静かなところがいいな』
もう1人の赤司は元気だったよ。そう伝えたいだけだけれど、それを賑やかな場所で伝えたくないと苗字は考える
「…うちに来るかい?」
『んー…ウチでもいいけど今日雪さんいるからなあ…本題に入るまで長そう。パピーいる?』
「仕事だからいないね」
『まあ征十郎のお父さんなら居ても邪魔してこないか、いってもいい?』
「まるで雪さんが邪魔してくるような言い方だね」
『邪魔なんて思ってないよ』
先月の夏祭りの前とて赤司と苗字の写真が撮りたいと話をしてきた
あれ自体に問題はないし、むしろ撮ってくれてありがたいのだがそっとしてほしい気持ちも共存している。その点赤司家なら問題ないだろうと、踵を返して歩き出した