第49章 答え合わせ
『でも黛さんとどういう関係があったのかも分かったし、あたしの記憶はないけど帝光の頃に戻れたし、意味があったのか分からないけど白雪姫の世界もまあ…面白かったし、試練の割には楽しかったかな』
「藍色のに名前には厳しいと言われたけどね」
『そう?オレの征十郎と一緒で優しいよ』
乗り越えられるような試練しか与えず、ヒントまでくれていたのだ。間違いなく優しいだろうとクッキーを手に取りながら笑いかける
驚いた顔をしている赤司は自分が優しいと思っていないのだろうか、そんなことを考えていると彼の表情が少し申し訳なさそうな顔に変わった
それを見逃さなかったに苗字は、彼の視線が普段より短い自分の髪に刺さっていることに気が付く
彼女の今より短い髪はウィンターカップ初日にキセキの世代を呼び出したはずなのにいた部外者である火神と彼女に赤司がハサミを突き付けたため
火神は頬に掠り傷を負い、苗字はしゃがみ避けたことにより髪が切れてしまったあの出来事だ
「今更だが、あの時髪を切ってしまって悪かった」
『へ!?』
「…なんだい変な顔をして」
『いや、もう過ぎ去ったことだし謝られたし…僕の方の征十郎から謝れると…その』
「謝れると、なんだ」
『違和感がすごい』
「…橙崎の娘なら避けるだろうと思っていたよ」
『あれあたしが避けなかったらウィンターカップどころじゃなかったからね?救急車だよ?』
「実際避けただろう」
『…まあそうだけどさ』
事実避けた彼女は当時の出来事を思い出す。あの時は不安に押しつぶされそうな日々だった
自分のことを忘れている人物に思いを寄せるが一緒に記憶を共有できる人物も少なく、1人思い出してくれただけでどれだけ嬉しかったかと振り返っていると、心の奥で悲しい気持ちが芽を出す
今はそれで悲しんでいる場合じゃないとその感情を捨て、広い空間を改めて見渡す