第48章 さよならを
『みんなも、思い出させるとは言え私と一緒に遊んでくれてありがとう
今回戻ってきたとき石投げられたりブーイングが起きないか心配だったけど、みんな優しくて良かったよ」
「そんなことするわけねえだろ」
『そう言ってくれると嬉しいよ。本当にありがとう』
「何度でも言うけど私は名前ちゃんにまた会えて嬉しかったからね!」
「みんな、だろ」
ふんわり微笑む彼らにつられて微笑むと、目尻から水が零れた
気付きたくないが寂しく悲しい気持ちが心を占めようとしている
ボロボロに泣く前に笑ってさよならしたいと、まだ手紙をもらえていない彼の前に立ち若干透けている手を出した
『火神君、手紙、くれる?』
「…ああ」
『ありがとう。みんなからもらったの、宝物にするね』
どんな内容が書いてあるのか読めるほどの猶予は恐らくない。むしろ見てしまったら泣いてしまいそうだと個性が溢れと色とりどりの手紙を見る
優しい彼ならきっと手紙くらい許してくれるだろうとまとめて束になった手紙を胸のあたりに置いた
『じゃあ行くよ。みんな元気でね』
「苗字」
『火神君』
「オレも、アイツじゃなくて、その」
『うん?』
「お前が好き、だ、です」
思わぬ言葉に目を見開き、心が受け入れ呑み込んだ後、苗字の口角が勝手にあがる
『ありがとう。火神君、またね』
嬉しそうに笑った彼女はそのまま透けていき、気が付けば細やかな青色の光の粒となって空に浮かんでいく
そのまま天井まで行きそうな光を見送っていると、気がつけばその光さえなくなっていた