第48章 さよならを
『私みんなにもう1回会えると思ってなかったから、またみんなと遊べて嬉しかったよ』
「…名前ちゃん」
『そんなしんみりしないで
見つからなくても消える運命だったんだから、見つけられて良かったって心の底から思ってるよ』
自分に言い聞かせるように笑っている苗字を見た桃井の視界が歪む
先ほどまで一緒にいた苗字はもちろん。目の前にいる彼女とも別れたくない
そんな我が儘が通らないことは子供じゃないので知っている。ただそれでも嫌だと桃井が苗字に飛びつく
「私も!名前ちゃんにまた会えて嬉しかったよ」
『…さつきちゃん』
「最初は思い出してほしかったけど、でもやっぱり、友達がいなくなるのは、寂しいよ」
受け止め、肩の辺りにある彼女の顔から鼻が啜る音が聞こえてくる
おずおずと彼女の背中に手を回すと、いつの間に近づいていたのか彼らに囲まれていた
「そーだな。苗字が忘れなければ出会わなかったけど、オレら仲良くなったろ」
「一緒にボーリング行ったりな!まじ楽しかったわ」
『…虹村さん、高尾君』
「今日でどちらにしろ名前がいなくなってしまうことは分かっていた。だから、みんなから」
『…みんなから?』
赤司の手に何かがあると受け取ろうとすると、桃井の腕から背中から離れた
そんな彼女の瞳はうさぎのように真っ赤になっており、胸の奥で悲しい気持ちが顔を出す
気が付かないように桃井のことを見守っていると彼女もカバンから何かを取り出し、同じだけど色が違うものを持っている赤司の2人から手紙を受け取った