第46章 白雪姫
「なるほど。それならこのシーン小人たちはずっと泣いているはずだけどね」
「桃井ならずっと泣いてるのだよ」
「黄瀬はさつきにつられて泣いてる」
「さすがにずっと泣き続けるのはリョータでも無理だろ」
「さっさと起こせよ王子様」
「…全くムードもロマンも何もないな。緑間の言う通りなら台本通りやらなければいけないんだろう」
「赤司君、お願いします」
自分が作った脚本なので台詞は覚えているが鷹を出した覚えはない
どうなっているんだと思いながら棺に向かうと、こちらに気が付いていなかったのか桃井が笑顔になった
「…どうしたんだそんな泣いて」
「赤司っち!何言ってるんスか!早く名前っちに!」
「ちがうよきーちゃん。お姫様が死んでしまって。だよ」
「…お姫様が、死んでしまって」
「…姫?」
赤司が棺を覗き込むと中学生くらいの苗字が眠っている
自分の中ではつい先ほどまで一緒に過ごしていた彼女と同じ見た目で、寝ているような彼女にあの春休みの病室を思い出し脳がぐらついた
「なんと綺麗なお姫様だ。まるで眠っているようだ」
「…赤司君」
棺に手を添えて、目を瞑ったままの苗字に唇を重ねる
冷たい感触が赤司の唇に伝わってきてどうにも嫌な気持ちも浮かんできたが、唇を離し彼女の事を見ていると、ゆっくりと瞼が動き始めた