第46章 白雪姫
「とりあえず名前を探しましょうか」
「そーだな。毒りんご食べて倒れてるかなんかしてんだろ」
「だとしたら小人と一緒にいますかね」
「なんかヒントあるのか」
「ありません。強いて言えば勘ですかね」
「おー…赤司の勘なら下手な占いより信じられるわ」
歩きながら青峰の勘もなんだかんだ信じられるという話をしていると、虹村の視界に映る赤司の横顔に変なあとがついていることに気が付いた
「赤司お前、泣いたか?」
「…ええ。意識を失っている間に夢を見て」
「涙流れたあと残ってんぞ、目の横」
人差し指で触れると確かに涙が流れたあとに乾いて固まったものが残っていた
そんなに泣いただろうかと、袖で拭っている彼を見た虹村は歩きながら問いかける
「珍しいな。怖い夢だったのか」
「怖い夢…ですかね。現実ではもう、見たくない夢で」
「そういう正夢になったら嫌な夢は話した方がいいっつーだろ。どんな夢だ」
「名前が、消えるときの夢で」
そこまで聞いた虹村が察して、赤司の表情を見るがどこか影がある
名前が忘れた時ですら狼狽えなかった彼だ。よほどだったんだろうと察し、小さく息を吐いた
「オレはその場面1回も見てねえから何も言えねえけど、話したしこれでもう消えねぇんじゃねぇの?」
「…そうですね。名前が消えるところはもう、見たくないです」
「そーだな。苗字がいる方がお前らは楽しそうだ」
話をしながら歩き続けるが、景色は変わらず苗字の姿は見当たらない
日が暮れたわけではない。それとも暮れないのかあてもなく2人でどうでもいいような話をしながら歩みを進めた