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【黒子のバスケ】トリップしたけど…え?《4》

第6章 退院と




その後、火神が料理を、苗字がケーキと料理の盛りつけを担当した結果、本当に10人で食べれるのかというくらいの量の短時間で作り上げた

テーブルの上に並べるとそれは本当にとてもすごい量で、火神、紫原、青峰辺りは目を輝かせた

皿を配り終えると行儀よくみなで「いただきます」と言い、それから苗字の方を向いて桃井がにっこり笑って口を開いた




「名前ちゃん!!」


「「「退院、おめでとう!!」」」




そうみんなに祝われた彼女は驚いたような素振りを見せてから、にっこりと笑みを浮かべて「ありがとう!」と言った

彼女の笑顔はやはり何も変わっておらず、彼らをどこか安心させた




「そう言えば苗字ってどこの大学進んだんだ?」


『さつきちゃんが調べてくれたらね、黒子君と同じところみたい』


「そうなんですか?」


『うん。また4年間よろしくね黒子君』



苗字がそう答えると、多くの嫉妬という感情を感じ取った黒子はそっちの方を向かないように飲み物に手をつけた

ちょっと重い雰囲気の中、赤司はゆっくりと視線を苗字に向けた




「名前は、どうして雪さんの家に来たんだい?」


『…逃げてたから?』


「誰からだい?」


『母親と、再婚相手から』


「…ちなみに両親は?」


『私の本当の両親は…お母さんは私を産んで間もなく、お父さんは…わかんない。教えてもらえなかった』



目線を落として喋る苗字に彼は同情を浮かべた瞳を向けながら、「ちなみに橙崎にはどうやってきたんだい?」と彼女にまた疑問をぶつけた

それに彼女は何一つ嫌な顔をせず、まるで昨日のことのように思い出しながら口を開いた




『…知らない人が、途中まで送ってくれて…それから倒れて拾ってもらった』


「…元々、都内に住んでいたのかい?」


『さあ…郵便物は読ませてもらえなかったし、お父さんが死んでから私は隔離されてたからかな?』



首をコテンと傾けた苗字は他人ごとのように話しており、どうしてそんなに気にしていないのかと疑問に思えるほどだった

聞こうかどうか皆が迷っているとき、彼女はポテチへと手を伸ばしてパリパリと食べていた





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