第41章 練習試合
『はい。試合終わった後にでもメール送って』
「サンキュ!じゃあな名前ちゃん!」
カゴを持って先に体育館の中に入ってく高尾を見ながら苗字が両手でカゴを持ち上げ体育館に入ろうとすると、急にカゴが軽くなる
何かとカゴを見ると横から手が伸びてきてカゴの底を支えており、誰かと思って横を見ると赤い髪がすぐそこで揺れていた
「名前、大丈夫かい」
『征十郎』
「先ほどいた彼は?」
『ああ、相手校の1年生なんだって
マネージャーいないからドリンク作ってて、なんか…仲良くなったのかな」
「そうか」
『征十郎は?何してたの?』
「部室にタオル忘れてしまってね、取りに行っていたよ」
『…征十郎が忘れ物なんて珍しいね?』
「オレだって忘れものくらいするよ」
そんな姿見たことないと言った視線を送る苗字からカゴを奪い、歩き出す
持つと言って追いかけるが彼は止まることなく帝光側のベンチにそれを持って行ってしまい、結局彼女が自分で運んだのはどれくらいだったのかと自問するが答えは分かりたくなかった
「さて、初試合だね。緊張せず頑張っていこうか」
「めちゃめちゃ活躍するんで!赤司っちたくさんボール回してほしいっス!」
「オレのやることは変わらない。1本でも多くシュートを決めるのだよ」
「とりあえず1番多くシュート決めるわ」
「えーなんかこれ言う流れなのー?…早く勝ってお菓子食べたーい」
「リョータより多くシュート決める」
「じゃーオレはショーゴ君より多くシュート決めるっスわ」
「ああ?」
「お前ら前半後半で交代なんだから、張り合うんじゃねえよ」
1年生がスタメンの状態で試合が始まると帝光側の応援の声がとても大きく思わず顔を上げると、ギャラリーに2軍3軍の1.2年生が立って応援している
もちろんそこに黒子の姿もあり、彼はどういう気持ちで見ているんだろうかと苗字は考えていた