第6章 退院と
それから約2時間弱経過すると苗字と虹村は既に火神の家の前に着いた。だが火神はまだ家に着いておらず、マンションの下で待つという時間になっていた
『火神君の家、ここなんですか?』
「ああ、前にタツから聞いた」
『また氷室さんですか』
「一回ちょっと用事あってな、そん時聞いた」
『へー…』
用事って何だったんだろうと苗字が首を傾げているとそこへキセキの世代や光と影がやってきて、彼女は彼らを見て笑みを浮かべた
駆け寄ってきた彼らに虹村は「おせぇ」と言って眉間に皺を寄せた
『無理言って押しかけちゃったんですから遅くても仕方ないですよ
とりあえず火神君、鍵開けてくれる?』
「ったく…仕方ねぇな、早くしろ火神」
「う、うっす」
スーツ姿をしている彼らに違和感を持ちながらも虹村は青峰に「おら荷物持て」と買ってきた荷物を持たせ、自分は身軽のまま足を進めた
そして火神宅の中に入ると彼らは「お邪魔します」と礼儀正しく入る人もいれば、もちろんそんなこと言わずごく普通に入る人もいた
まあそんな事は置いておき、彼らはどこからかテーブルを出してきて座り、火神は着替えてエプロンを身につけた
「で、何すりゃいいんだ?」
『ケーキ作りたいなぁって思って、あと他にも鶏肉とか買ってきたから…』
「あー、約束したな」
『入学式明けに大丈夫?』
「別に、そんな変わんねぇよ」
彼の言葉に苗字はキョトンとした表情を浮かべてから照れながら微笑みを浮かべ、袖を捲った
一方キセキと黒子と桃井と虹村はテーブルを囲んで、疲れたのか少し姿勢を悪くしながらお菓子を口に運んでいた
しかしそのお菓子を消費しているのは紫原が5割で、それを見た火神はいつもどおりの光景なのだと言い聞かせた