第41章 練習試合
「同い年同士仲良くしようぜ!名前は?」
『苗字名前、デス』
「名前ちゃんか!よろしくな!」
ニッコリ笑う高尾になんでこんなことになっているのか分からない苗字は引き攣った笑みを浮かべる
その笑みに高尾は気が付いたが自分の事を知っているなんて知る由もないため、やっぱ急に距離詰めすぎたか?と笑いながら心の内で考えていた
「名前ちゃんは何でマネージャーやってんの?」
『…何となく』
「何となくで帝光のマネージャーやんねーだろ!ホントは?」
『…小学校からの友達が入って、見届けてあげようと思って』
「ふーん、仲良いんだな」
『仲良いかな』
「見届けてあげたいんだろ?いいじゃん」
『そっか』
まだ少し警戒心と壁を感じる苗字だが、妹を介して会っているわけではないので仕方がない
あと何の話をしようかと考えながら次のドリンクを作っていると、意外にも彼女から高尾に話しかけてきた
『かず、なりは試合出ないの?』
「せっかく帝光と戦える機会だから先輩たちが出るだろーな」
『…でも帝光は』
「知ってるよ。1年慣れさせるための調整だろ?」
高尾の言う通り、全中の予選まで多く見積もっても残り2か月はない。なるべく場慣れさせておきたい監督とコーチは今回の試合を1年生メインで回すことにした
もちろん危なくなったら2.3年生は出てくるが、それを相手校の選手がどう思っているのか想像すると、いい気持ちはしないだろうと予測する