第40章 ここってもしかして
「じゃー赤司、オレ先帰るからな」
「ああ。灰崎、明日もちゃんと来るんだ」
「へーへー」
「みんなも帰ってくれて構わないよ」
「えー!せっかくならみんなで帰ろ!帝光の制服着てみんなで帰るなんて懐かしいじゃないスか!」
「…まあ、悪くないのだよ」
「…どーせさつき待たなきゃいけねえからな」
「ん~まあいっか~」
こういう時灰崎が団体行動しないのはいつものことである
むしろ今までよく来てくれているくらいだと感心しながら彼らにお礼を言い、先に戻って来た黒子と共に待っていると桃井と苗字が一緒に喋りながらやっていた
『あれ、帰ってなかったの?』
「せっかくだしみんなで帰ろうと思って!一緒に行こ!」
「えー!帰る帰る!」
「灰崎は帰ったけどな」
『まあ、ぽいよね』
雑談をしながら歩き始め、懐かしい道をみんなで歩く
途中その光景に桃井の涙腺が崩壊しそうになったが黒子が上手くカバーし、苗字が分かれる場所までたどり着いた
「じゃー名前っちまた明日!」
いつものように黄瀬がそう発し、周りもそれが当然なので一部が手を振ろうとする彼らをキョトンとした目で苗字が見つめ返す
『あたし、家こっちだって教えたっけ?』
彼女の言葉を聞いた瞬間、ピシャッと雷が落ちたような、パリーンとガラスが割れたような効果音が聞こえた気がした
急に汗がダラダラ出て来て、どうしようと困っている黄瀬に苗字の横に立つ赤司がいつもと変わらぬ表情で話しかける