第40章 ここってもしかして
「オレがこの間教えた。同じ小学校だから家が近いのか聞かれてね」
「そ、ソーナンス!」
『そーなんだ?』
「ソーナンス!!」
「…黄瀬、ボールから勝手に出てくるモンスターみたいになってんぞ」
「大ちゃんそれ敵側のやつ?」
「それ以外にいねえだろ」
「赤司がフォローしなかったら大変なことになってたのだよ」
「今のは完全に危なかったよねー」
「完全に癖ですよね。ボクもこういう時気を付けないと…」
黄瀬の後方でこそこそと話している彼らのやり取りは聞こえないらしく、苗字は「ふーん」と興味なさそうに返事をしている
なんとか納得してもらえたことに黄瀬は安堵したのか長い溜め息を吐き、胸を撫でおろした
「もう暗いからね、送ってくよ」
『いいって』
「いいから」
「赤司君、送ってくんですか?」
「ああ。また明日」
『もー…じゃあね。また明日』
当時のように2人で別方向へと歩き出す彼らを見送ると、桃井の顔に笑顔が浮かぶ
だがその後ろでは黄瀬が複数人から先ほどの失言を攻められており、元の世界に戻ったら焼肉奢れと言われていた