第40章 ここってもしかして
ストバスコートのある公園に辿り着き、バスケをしながら待っていると見慣れない制服を着た高尾が「おーす!」と入ってくる
荷物を置いてみんなの顔を見た途端に軽く笑い声を出した後、目元と口元の表情が緩む
「なんかみんな幼いな!」
「高尾、お前もなのだよ」
「虹村さんもなんか幼い…つーかみんな背ちっさくね!?既にでけえけど中学でどれだけ伸びたんだよ!」
「うるさいのだよ」
「さつきも今こっち向かってるってよ」
「じゃあ全員揃ったら始めましょうか」
待っている間彼らはどこからともなく出したボールでバスケを始めるが、思うように動かない体にヤキモキしつつゲームを続ける
しばらくすると家で制服から着替えたのか、私服姿の桃井が息を切らして額の汗を拭いながら現れた
「ごめんね!遅くなっちゃった!」
「桃井ちゃんも幼いな」
「これで老けてるやつのほうがやべーだろ」
「話しているところ申し訳ないが桃井の門限もある。早めに済ませよう」
そうだ自分たちは今中学生だったと思い出し、時間を確認して桃井をベンチに座らせてその横に虹村が座る
2人を囲むように屈んだり立ったりそれぞれ好きなようにしながら、今回の件の話を始めた
「オレたちは今名前を探しに帝光に行って、気がついたらここに居た。間違いないかな」
「そーだな、それがなんでこんなことになってんだよ」
「コイツら全員同じクラスとかやべーだろ」
「は!?みんな同じクラスなの!?」
「お前ら全員?」
「はい」
「やっべー授業参観行きてー!」
「来なくていいのだよ」
「…恐らく全員同じクラスなのは目的を達成させるためだろう」
「それって…」
「劇の話ですか?」
「ああ」
中学1年生の時にやった劇が関係しているのは間違いないのか、たまたまなのか
藍色の苗字に直接聞いたわけでもない。ただ役割があると言われただけで、勝手にそれが関連していると推測しているだけだ