第40章 ここってもしかして
「黄瀬、探してるキーホルダーあったのか」
「オレの勘違いだったっス!ポケットの中に入ってた!」
「あってよかったですね」
「しかも!ショーゴ君もバスケ部入るんスって!ね!ショーゴ君」
「ああ?今更はいる訳…」
「ならライバルだな。名前は?」
赤司から放たれる強い圧に灰崎が黙り、再び訪れる互いが互いを知っているにも関わらず始まった自己紹介
一通り自己紹介が終わったところで話題はバスケ部の話となり、桃井が少し不安そうな表情で苗字に問いかける
「名前ちゃんはバスケ部のマネージャー、やるの?」
『うん。さつきも?』
「本当!?一緒に頑張ろうね!」
「待って!桃っち名前で呼ばれてるんスか!?オレも名前で呼ばれたい!」
『え』
「オレ名前っちって呼んでもいいっスか?つーか呼ぶんで!!」
「黄瀬ちん…いくらなんでも距離詰めすぎじゃねー?」
「尊敬しないと○○っちって呼ばないはずだもんね…」
「苗字が怪しんでいないか心配なのだよ」
「灰崎と黄瀬が1年から接点ある時点でおかしいだろ、同じクラスだからどうしよーもねえけど」
思わぬ距離の詰められ方に先ほどより明らかに困惑している苗字だったが、ちょうど先生が来たことにより席について指示を受ける
入学式では赤司が流石の一言に尽きる新入生代表挨拶をして参列者を泣かせていた
そんな入学式のはずなのに多くの人が卒業式ばりの涙を流したあと、雪に呼ばれた苗字と赤司が一緒に写真を撮っており、彼は懐かしい気持ちに浸りながら笑った