第40章 ここってもしかして
教室に入りそのまま話していると、扉を開けた人物が「うわなんだこのメンツ」と声を上げる
聞いたことある声にその方向を見ると灰崎がこちらを見て目を丸くしているため、これはまずいと気を利かせた黄瀬が彼の元へと走り出した
「あ~っと!初対面で申し訳ないっスけどオレの落とした~…キーホルダー!一緒に探してくれねえっスか!!」
「ちょ、なんリョ「オレ黄瀬涼太っていうんスよ!ほら行こ!!」」
灰崎を連れて出て行った黄瀬の勢いに思わず教室が静まり返る
多少強引だったかもしれないがこれで外に出て灰崎に状況も説明できるだろう。そんな気を利かせた黄瀬を称賛していると、2人が出て行った扉を見つめる苗字が口を開いた
『黄瀬君キーホルダーなんかつけてたっけ』
「分からないが彼が言うならそうなんだろう。見つかればいいんだが」
「そうですね」
『…まあ征十郎と黒子君の言う通りなんだけどさ』
違和感のある呼び方に黒子と桃井がハッとする
先ほど知り合ったばかりの人物で名前で呼んでくれとは言ってないので、そりゃ今のような呼び方になるかと気が付き慣れ親しんだ呼び方をしてほしいと彼らは考える
「嫌じゃなかったら、下の名前で呼んでもいいですか?ボクの事も名前呼び捨てで構いません」
「私も!それと下の名前で呼んで!!」
『え』
「いいじゃないか、親睦が深まって」
『え?ええ…?テツヤと、さつき?』
「ついでに大ちゃんのことも呼んであげて」
『…え?そんな急に?』
「気にすんな、呼べよ」
「オレのことは苗字呼び捨てで構わないのだよ」
「オレも紫原でいいよ~」
困惑している苗字からそれぞれ呼び方を確認していると、説明が終わったのか黄瀬と灰崎が教室に戻ってくる
あの2人が一緒に教室に入ってくる姿なんてもう見ることが出来ないんじゃないかと、戻ってきている彼らを輪に入れて話し始める