第40章 ここってもしかして
「おはよう名前、みんなバスケ部に入るそうでね」
『…全員?』
「ああ」
『そう…?初めまして、苗字名前です
征十郎とは同じ小学校だった腐れ縁、よろしくね』
「腐れ縁とは何だ」
『そのまんまだけど』
まだ初めましての状態だからか警戒心が解けない彼女は黄瀬を見る
彼はなぜ自分を凝視しているのか分からないようだが、黄瀬は本来2年生からバスケ部に入るはずで、途中から1軍に来る黒子まで仲良くなってるのは混乱する事態だった
1人ずつ改めて自己紹介をしたが、苗字には元の世界の記憶による知識があり、他のみんなには今まで過ごしてきた記憶があるという不思議な状況が生まれている
お互い何を話していいのか分からず、特にカラフルな彼らは話せばボロを出してしまいそうで黙っていると、気を利かせた赤司が見ていないが知っている知識を話し始めた
「名前、同じクラスだったね」
『何いってんの、ここにいる全員同じクラスだったよ』
「えっ」
「はぁ?」
『見ておいでよ。貼り出されてるから』
知っていた過去と違う状況にみんなが驚き、そう言えば確認していないとクラス表を見に歩き始める
人だかりに紛れて掲げられた紙を見ると、確かにここに居る全員の名前が同じクラスに振り分けられていた
『頭痛いクラスになりそう…』
騒ぐ彼らから少し離れ呟いた苗字の頭痛の原因に溜め息を吐きながら、戻ってきた彼らと一緒に教室へと歩いた