第40章 ここってもしかして
「テツ君!ミドリーン!」
「…桃井さん青峰君、赤司君もおはようございます」
「おいこれは一体どういうことなのだよ!」
「オレが聞きてえわ」
「中学校の入学式だって起こされてびっくりしました」
「オレも驚いたよ」
「中学生のテツ君を見られるなんて…感激!」
いまいち噛み合わない会話をしながら立ち止まっていると、遠くから女子の「あのひとカッコいい…」という声と「でか…」といった声が聞こえてくる
もしやとその方向に視線を向けると、知っている姿に比べれば小さいが周りより頭2つ3つでかい彼と、周りの女子の視線を集めている人物がこちらに向かってきていた
「あーみんないたーなんかバレー部に勧誘されちゃってさー」
「オレも女の子に声かけられちゃって…今手出したら犯罪になるんスか?」
「寝ぼけたこと言ってんじゃねえよ黄瀬」
「違う!手出さないって!オレ名前っち一筋っスもん!」
「…へえ?」
「あー赤司っち怖い!でもホントっスから!」
騒ぐ彼らが注目を浴びている中、その様子を見た人物が思わぬ状況に後ずさる
話しかけるのに躊躇しているのか様子を眺め、深い溜め息を1つ吐いてから、ポーカーフェイスを保ちながら彼らに近づいていく
『征十郎、もう友達できたの?』
聞きなれた声に振り向くと、知っている姿より幼く黒髪黒目の苗字の姿があった
見た目が違ったので一瞬誰か分からなかった人もいたが、まだ少し幼さが残っている彼女へと赤司が1歩前に出る