第37章 揃ったピース
「なぜ黛さんが選ばれたんですか?」
『多分それも話せないかなあ。けどその内分かると思う』
「…秘密主義だね」
『言ったら消されちゃうからね。しょうがないでしょ?』
最後のポテトを食べ終えた苗字はウェットティッシュで手を拭いて、溶けた氷で味が薄まっている飲み物の残りを飲み干した
『さ、帰ろう。明日寝坊したら大変だよ』
「午後からなのに遅刻する人いんのか?」
「青峰君なんかは昼寝して遅刻しそうですね」
「桃井が起こしに行くだろう」
『そこは安心だね』
立ち上がり、ごみを捨てて外に出ると日が落ちているためある程度は涼しい。だがそれでも暑い
もうすぐ夏休みが終わるのにいつまで暑いんだろうと考えながら話していれば苗字が想像していたよりも手前のところで赤司が足を止めた
「すまない火神、このあと野暮用があるから名前のこと送ってもらえるかな」
「…言われなくてもそーするっつの」
「頼みましたよ火神君」
「ちゃんと家の前まで送るって!それでいいだろ!」
『ありがとう。じゃあ黒子君、赤司君、また明日ね』
「ああ。また明日」
「何かあったら火神君を盾にして逃げてくださいね」
『ふふ、うん。そうするね』
「火神がいるのに何かする奴いるのかい?」
「いないと思いますが、万が一」
「さっさと行け!ほら苗字帰るぞ!」
どんどん進んで行く火神に着いていき、途中振り向いて後ろを見るとまだ赤司と黒子がこちらを見ている
彼らに向かって腕を振っていたが、しばらくすれば小さくなっていき闇に紛れ見えなくなってしまった