第37章 揃ったピース
「…明日の団体客キャンセルになったから休みでもいいかって連絡だった」
「え!」
「タイミングばっちりじゃん!すげーな!」
「…これもあの2号の力が働いてんじゃねーの」
火神の言葉に視線が苗字に集まるが当の本人はハンバーガーをもぐもぐと食べて進めており、口の中の物をようやく飲み込んだ彼女は飲み物を口にしてから話を始める
『そこまでは私も分からないな、たまたまじゃない?』
「いやいやいやおかしーだろ!何でこんな話した後にキャンセル出るんだよ!」
「そもそも2号ってなにー?」
「火神君が不思議な空間で出会った喋る犬のことですよ」
「不思議な空間って、あれかぁ?」
「あのオレンジに変わる白い空間のことだろう」
「その白い空間、ボク知らないんですよね」
「え!黒子っち知らないんスか?!」
「オレも知らねえな」
「つーかなんだその白い空間って」
『灰崎君と虹村さんは元々覚えてるから、黒子君と火神君はまあ…思い出し方が、ね』
「私も?」
『あ、さつきちゃんも』
その2号の力が働いているかどうかは答えが出ないので話題としては流され、明日の集合時間を決め午前から練習がある人は帰っていき、練習のない人物も同じく去っていく
気が付けば赤司と黒子と火神に苗字の4人となり、一番多かった時の半分以下のメンバーと明日の事を考えて寂しさを感じ目を細める
「寂しいですか?」
『…顔に出てた?』
「少しだけですが」
『本当はもっと早いと思ってたから当初より長くいれたんだけどね。消えるとなるとやっぱり悲しいなあ』
「早いと思ってたのか?」
『私の時みんなで帝光行ったから、今回もみんなで探すかなって』
「…リーグ戦の前だったのが休みを合わせづらくさせてたな」
『あとは黛さんがもっと早く喋らせるかと思ってて』
「黛さんはそういうタイプじゃないだろう」
赤司からの言葉に一緒に京都に行った時と元旦に話をした時のことを思い出す
自分のペースを乱そうとしない彼を思い出し「確かに」と彼女は笑っていた