第37章 揃ったピース
電話からしばらく8人で話していると、先ほどマジバに向かう旨を言っていた虹村が苗字と灰崎を連れて現れる
てっきり虹村1人だけだと思っていたのでやってきたメンバーに目を丸くしている彼らを見て笑いながら、虹村はトレーを持っていない片手を上げた
「おう、遅れて悪いな」
「やっぱチーズバーガーも良かったかもなァ…」
『急にこのメンバー集めてマジバ行けって言われちゃって、ごめんね』
「いや、いいが…虹村さんが?」
「オレは苗字が家まで迎えに来て起こされた
ちなみに灰崎はバイト終わり待ち構えて連行してきた」
『虹村さん酔っぱらってて寝てるみたいだから…家まで迎えに行ったよ』
「弟と妹に騒がれてたな」
『まさかあんな歓迎されると思ってませんでした』
「オレも社員通用口出たとこにお前らが待ってると思ってなかったよ」
『灰崎君びっくりしてたもんね』
気を利かせてくれたのか桃井の隣が空いたため、トレーを持った苗字がその空いた席に座る
外が暑かったのか手で扇ぐ彼女を赤司が見つめていると、その視線に気が付いた苗字がふんわりと笑い手を机の上に置いた
『答えが出たのかな?』
「ああ。名前、一緒に帝光いってくれるか」
「あ?1番最初に行ってただろ」
「ショーゴ君、その話もう終わったっスよ」
「こっちが今来たことわかんねえのかリョータ」
「灰崎君、ボクから説明します」
黒子の説明を灰崎と虹村が聞いているのを確認した苗字は赤司に視線を戻す
苗字を見つけると言うことは今いる彼女を消す行為でもある
夏祭りの際に消えるつもりで来ていると彼女は言っていたが、今はどうなのかと動悸が早まるのを感じながら赤司が彼女を見ると、何とも言えない笑みを浮かべていた