第36章 花札
「オレと名前はスタンプラリーに出ていて劇には出なかったんですけどね」
「…そうかよ」
どうせ優勝したんだろうと想像する黛の考えは大当たりである
目の前にいる赤司は何かを考えこんだまま動かず、また電車が過ぎ去っていき、気が付くと彼は何かを数え始め指を折っていた
何かに気が付いた赤司は折っていた指を戻し、落としていた視線を黛に向ける
「ピースが揃ったかもしれません」
「どこに行くんだ?夢の国か?」
「…恐らく帝光かと」
「もう行ったんじゃなかったのか」
「ようやく役割の意味が分かりました。役割ではなく、役だったんだと思います」
「…は」
「やはり行動するなら、みんな一緒が一番ですね」
赤司の言っていることはいまいち分からないが、分かろうとするつもりもない
カバンからスマホを取り出し誰かに連絡を取り始める。すぐにくる返事に彼は嬉しそうに微笑みかけた
「これからみんなで集まりますが、黛さんも参加しますか?」
「行くわけねえだろ」
「だと思ってました」
赤司のスマホが震え続けのを見た黛が、あいつらはどれだけ暇なんだろうかと溜め息を吐き立ち上がる
ちょうど電車が来るアナウンスが来たのでその電車へ乗り込んだ