第34章 ここで彼らは
「ここで名前っちと会ったんスわ。オレまだ忘れてたんスけど」
「…青峰と戦ったときか」
「そー、オレにとってはピアスあげたとこだし、場所は違うけど思い出したとこだったんで思い出深いんスけど…いなそーっスわ」
「真ちゃんが思い出したとこもいなかったもんな」
「ああ」
「まー流石に外はいないっスよね、体育館の中探してみよ」
平日の昼間だからか明らかに年齢が上の人が集まってそれぞれ運動をしている
客席やその他見れるところも探してみたがやはり苗字の姿がなく、黄瀬が溜め息を吐いた
「赤司っちが思い出した東京体育館もいないってなると、どこいるんスかね」
「あと候補に出ているのは海と病院か」
「そこにいなかったらどうすればいいんスか~名前っちの小学校でも行きゃいいんスかー!?」
「赤司が1人で行ってたろ、母校だし話が早いって」
「うわそーっスわ…マジどこいるんスかね…」
「まあいなかったら考えようぜ」
高尾の言うことはもっともだが、それでもいなかったらこのままだと彼女はは消えるため、最悪な場合を想像してしまう
その前に見つけなければと焦る気持ちと悔しい気持ちが共存し、知らぬ間に手に力が入っていた