第34章 ここで彼らは
「あっつ…」
電車を降りると車内が涼しかったせいか一気に暑くて重いような空気が襲ってくる
月が変わっても衰えることのない太陽の日差しを手で遮って待ち合わせ場所へ向かうと、待ち合わせ時間前にも関わらず約束した2人は既に立ってアイスを食べていた
「2人とも早くないっスか?つーかそのアイスなんなんスかオレも食べたいっス!」
「オレら泊まりだったからな、遠くまでお疲れ黄瀬クン」
「泊まり!?だからこんな朝早くてそんな荷物多いんスか!?」
「秀徳と誠凛の合宿がここから近い所であったのだよ。黒子に聞いたら高校の頃に最初に現れたのもそこだと言っていたから昨日先に探しただけだ
このアイスは高尾のおごりなのだよ」
「じゃんけんで負けちまったからなー」
しゃくしゃくとアイスを食べ進める高尾のアイスは緑間より減りが早い
この暑さで食べるのはさぞかし美味しいだろうなと2人の持っているアイスを見ながら、不満の意味を込めて口を尖らせた
「…それならオレも泊まり誘ってくれてもいいじゃないっスか!なんで2日目だけ…」
「黄瀬は合宿の時いなかっただろう」
「つーか!それで見つかってたらどーすんスか?!3人で泊まったんスか?!」
「いや赤司が迎えに来るだろ」
「…確かにそうっスけど」
「黄瀬君アイス買って来いよ、バスまで時間あるだろ
けど昨日連絡がなく今日こうして一緒に探しに行くということは見つからなかったんだろうと察し、インターハイの会場へ行くためバスに乗った