第34章 ここで彼らは
「ここで緑間っち思い出したんスよね」
「確かに思い出深い場所だよなー」
「だからと言って全員来なくて良かったのだよ」
「全員じゃないです。紫原君と赤司君以外です」
「虹村さんと灰崎もいねえな」
「そう言えばボク、山合宿と冬の合宿会場にも行ってみたんですが見つけられませんでした」
「あーそれで思い出した。黄瀬君、インターハイの会場見に行くの朝からでもへーき?」
「全然へーきっス!」
「懐かしいですね」
「まさか秀徳と誠凛の合宿場所が一緒で、その近くでインターハイやってるなんて…緑間っちも来てくれればよかったじゃないっスか!」
「忙しいのだよ」
そのまま会場の外を歩いていると、全員のスマホから通知音が鳴った
グループに誰かがメッセージを送って来たんだろうと察し、代表して黒子がスマホを開いて内容読み上げ、共有する
「赤司君、帝光の時の合宿会場に行ったそうですが見つけられなかったそうです」
「はあ?!アイツ飛行機乗って行ってんの!?」
「お土産買ってきてくれるそうです」
「観光みたくなってんな」
「赤司っち夏祭り以降色んなとこ行ってるっスよね」
「そりゃそうなるだろ、消えるかどうかかかってんだから」
だから自分たちだって暑い中外に出て探しているんだと、口には出さないが青峰他何名かが考える
そのまま緑間が思い出した場所にも足を運ぶがそこでも見つからず、秀徳の後に行った誠凛対霧崎第一との戦いの話を誰かが口に出す
試合の際中、花宮に殴られそうな黒子の前に立ち、そんな彼女を引き寄せ回避したあの出来事
全中の時と重なったあの時の出来事は今も思い出すと黒子の背中に汗が伝いそうで、込み上げてきた何かを体の外に出すように息を吐いた