第33章 やるならみんなで
リーグ戦が終わった後、高尾がスマホを開くと1件のメッセージが届いていた
トーク画面を開けば「探したいものがあるから試合が終わり次第来い」とご丁寧に地図まで送られてきている
今日緑間の試合は第1試合だから終わっているのかと時間を確認し、チームメイトからご飯に誘われたがそれを断って目的地を目指す
到着すると出入口に長身の緑髪が脇にでっかいうきわを抱えており、より一層目立っているので笑いながら彼に駆け寄った
「真ちゃんおっつー!」
「遅いぞ高尾」
「これでもまっすぐ来たんだぜ?今日のラッキーアイテム一段とでけえな」
「うきわなのだよ」
「膨らまして持っとく必要あんの?」
そうして緑間がうきわを抱えていない側に立ち、お目当てであるショッピングモールに入ると休日のせいか人が多い
絶対うきわの空気を抜いたほうがいいだろうが、おは朝のためならなんだってするのを高校3年間間近で見てきた彼は無理だろうと諦めて、来るまでに考えていた疑問を緑間にぶつける
「つーか、オレも来たかったからちょうどいいけど、なんでショッピングモール?」
「探し物なのだよ」
「名前ちゃんか?」
緑間から返答はない。だが買いたいものがあるではなく探したいものがあると言っていたあたりそういうことだろうと高尾は予想していた
「オレもここで名前ちゃんと会ったし、一緒に買い物もしたわ」
「…オレはあまり苗字と私生活で会うタイプではなかったからな」
あと他に候補を上げるとしたら帝光の階段と保健室があるが、そこは既に赤司が探している
わざわざもう一度探しに行かなくてもいいだろうと帝光は選ばず可能性は低いがショッピングモールを選び、自分では行き届かないところもあるかもしれないと高尾を呼んだのだ