• テキストサイズ

【黒子のバスケ】トリップしたけど…え?《4》

第31章 彼女の存在





「夢の中の名前とはどんな会話をしてるんですか?」

「まだそんな会話してねえよ。すぐ覚めるんだ」

「へえ」

「ただ、なんでオレがアイツのこと知ってるのかは聞かれたけどな」


確かに記憶が戻った、というよりも本来の苗字に戻った時に「黛と接点があったか」と聞かれたことは覚えている

当時の事を話すかと聞いているのに断っているのは目の前の人物で、流石に本人の同意がないのに話すわけにもいかず、彼は忘れられたままの存在となってしまっていた


「あの時黛さんだけに姿が見えていたのは、今回の件に関係あるんですかね」

「さあな」

「帝光に行ってダメなら洛山も候補に入れていて」

「…行くのか京都まで」

「激励ついでに行くのもいいかもしれません」

「今年はオレ行かないからな」


去年もなぜ連れて行かれたのか理解ができないが、だからと言って行って損をしたかと問われればそんなことはない

今の学校の状況や卒論の状況なども深くならない程度に話し、用が済んだ彼らは外に出て駅に向かう

駅に入り改札の前に差し掛かったところで、ファミレスに向かう前にあった出来事を思い出した


「今日オレと会うこと、苗字に言ったか?」

「いえ、部活の際に高校の先輩とご飯に行く話はしましたが」

「ここで苗字が待ってた。オレと赤司が会うって聞いたってな」

「…なぜそれを今話すんですか」

「忘れてたからに決まってんだろ」

「何話したんですか?」

「一方的に話されただけだ。オレが選ばれたとか、彼?とか」

「やはりもう1人誰かいるみたいですね」

「あの犬じゃないのか」

「オレは会ったことがないので」


赤司が知る限り会ったことがあるのは苗字と火神と黛の3人、法則も何もないメンバーだ

だが赤司がやることは変わらない。脳裏に彼女を思い浮か息を吐き、唯一苗字とコンタクトが取れる黛に依頼をする


「名前に、必ず見つけると伝えておいてください」

「…そんな恥ずかしいこと言えるか」


真面目な顔で言う赤司にこっちが恥ずかしくなりそうだと黛が頭に手を当て俯いていたが、彼は何も気にしていないようだった






/ 458ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp