第31章 彼女の存在
雑念を抱きながら試合に出るのは良くないが、もちろん練習も雑念を持っていたらダメである
あっさりボールを取られシュートは外し、監督にもコーチにもなんなら先輩にも怒られたが食べる量がいつもより少なく流石にやばいと思われたのか、熱でもあるのかなどとても心配されてしまった
理由は分かっている。昨日の出来事だ
いつものマジバでいつもより少ない量のチーズバーガーを食べながら火神が考える
しばらくするとテーブルに影が落ち、顔を上げると昨日会ったばかりの人物がそこにいた
「昨日が屋台のご飯で今日がチーズバーガーばかりなのはよくないね」
「…赤司」
「いることに賭けて来てみたんだ。予想通りで良かったよ」
「何か用か?」
「前いいかい?」
「ああ」
火神に比べ少ない量、というかこれが通常のセットなのだがそれが乗ったトレーをテーブルに置いた赤司は彼の正面に座った
ストローを封から開け、刺したところで彼は飲み物に手を付けず話を始める
「火神にだけ話しておきたいことがある」
「オレに?」
「藍色の名前についてだ」
「…ああ」
「彼女はいつもの名前が戻ってきたら消える」
言われた言葉に一瞬眉を上げ食べるのすら止まった
驚いたような素振りを見せたが火神は1度手にあるチーズバーガーを置いて、飲み物を飲む
「…だろうな」
「予想していたかい?」
「そんな都合よくいかねーことくらいわかってるよ」
「そうか。だが火神にだけは伝えておこうと思ってね」
「そりゃどーも」
伝えたいことは伝えられたのか、赤司もハンバーガーを食べ始める
思えば赤司と火神の2人でご飯なんて初めてかもしれないと、何を話せばいいのかと迷っている中、火神が一つ疑問を口にした