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【黒子のバスケ】トリップしたけど…え?《4》

第27章 おそろいの





「なんだよ」

『いや、ちゃんとキーケース使ってるんだなって』

「…もらったもん使わねえほうが悪いだろ」

『そうね、喜んでると思うよ』


もう彼女でなくなってから半年ほど、苗字の記憶が戻ったことというより人格が戻ったことに喜んでいたが、もう1人が消えて喜んでいた人物はいない

自分ではない自分が送ったプレゼントだが、こうしてみるとなんだか温かい気持ちが浮かんでくる

しばらくそのまま雑談を続けていると公園に3人組の人影が入ってきた。


「お!やっぱ火神じゃね?!」

「青峰!つか名前さんと桃井さんもいいじゃん」

「おーす!なんか久しぶりだな!」

「ワン!」


急に現れた降旗、河原、福田がレインコートを着た2号を連れて手を振っている

彼らに気が付いた火神は立ち上がり、彼らの名前を呼ぶ


「お前ら何やってんだ?」

「2号の散歩、そっちこそ何やってんだよ」

「ストバス中に雨降ってきちまったから雨宿りしてんだよ」

「雨?もう止んでるぞ?」


言われて彼らが外を出ると確かに雨がやみ、空に綺麗で大きな虹がかかっている


「名前ちゃん虹出てるよ!」

『ね、すごい。写真撮っとこ』

「雨止んだしバスケすっか」

「お前らも付き合えよ」

「え、でも2号が」

『いいよ。あたし見てる』

「つーか相手になんのかオレら」

「最初から諦めるなよ!火神か青峰のシュート止めるぞ!」

「さつき、お前ボール投げろ」

「もー…みんな雨で滑って怪我しないでよね!」


コートへ向かった降旗からリードを代わりに握り、2号が着ているレインコートを脱がせる


『久しぶりなのに久しぶりな気がしないね、2号』

「ワン!」

『はは、やっぱ2号は喋らないよね~』


楽しそうにわしゃわしゃと撫でると、2号が不思議そうな瞳で見つめ返してくる


『撮った写真、後で征十郎に送ろ』


そう言いながら彼女は水色の空に浮かぶ大きな虹がなんだか彼らみたいだと笑う

日が落ちるまで彼らのバスケが終わるまでながら苗字と桃井は2号とじゃれ合っていた






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