第26章 食堂
ゴールデンウイークも過ぎ去った平日、食堂でお昼を食べようと席を探していると窓際に座っている見知った顔を見つめ苗字が笑顔を浮かべ近づいていく
『テツヤ!』
「名前さん」
『学校で会うの久しぶりだね、前座ってもいい?』
「はい。ぜひどうぞ」
お盆ごとテーブルの上に置いた苗字は小盛のご飯を食べる黒子の前に座る
相変わらず他のメンバーに比べ食べる量が少ないなと昔と変わらない姿に笑いながら、手を合わせてから同じように食べ始めた
『全然見なくなっちゃったからさー来てるか心配してたよ』
「ボクも心配してましたよ」
『代返使わずちゃんと出てるんだけどなー。ギリギリに滑り込んでるからかも』
「滑り込んでる?」
『春休みとゴールデンウイークでぼけちゃったよね…あたしはゴールデンウィークが恋しいよ』
「ゴールデンウイークどこかでかけたんですか?」
『さつきのお誕生日お祝いして、1日征十郎と映画見に行った。あとはバイト』
「ボクも桃井さんにはお祝いのメッセージ送りました」
『へえ、喜んでたでしょ』
「誕生日を祝われて嬉しくない人なんていないと思います」
『そういうことじゃないんだけどな?』
黒子の誕生日はもちろんお祝いされている
テスト前だったので集まったりは出来なかったが、0時になった途端彼のスマホの通知がすごかったのは黒子の口元がほんのり上がってしまうほど嬉しかった記憶だ
「ちなみに桃井さんになにあげたんですか?」
『チークとリップ。似合いそうだったから』
「女性同士だとそういうのも選べて楽しそうですね」
『そう?別に男の人からもらってもいいと思うけどね』
実際赤司はホワイトデー口紅を苗字に送っており、彼女もそれを喜んでいた
そういうのはセンスなんだろうと彼女は考えるが、思い返すともらって困るプレゼントをもらった覚えはいまのところない