第25章 進級と遭遇
マジバから出て外に出ると春とはいえ肌寒い風が吹いている
そんな中半袖で自転車に乗り颯爽と去っていく学生は寒くないんだろうかと彼らのことを見るが、元気な証拠だろうとうんうん頷いた
『はあ、明日の講義やだなー』
「名前ちゃんも学校いやとか思うんだ」
『そりゃ勉強するの楽しいとは思えないからね』
「頭が良くてもそう思うんだな」
『友達に会えるのは楽しいけどねー、講義が無理』
「わかるー!オレ眠くなるもん」
互いの大学あるあるを話しながら歩いていると、先ほどいた公園とは公園の前を通る
そこにはまだ時期には早いが、花火大会の日程と共に協賛募集のポスターがフェンスに貼られていた
それがふと苗字の視界に入り、去年みんなで行った夏祭りの記憶が思い浮かぶ
「お、夏祭り?早えな告知が」
『こんだけでかい花火大会だからきっとみんな休みだよね?』
「そーじゃね?去年もみんな休みだったしな」
『みんなで行こうよ、これ』
「お?おお、いいけど」
『けど?』
「…聞くの野暮かもしんねぇけど、赤司と2人じゃなくていいわけ?」
『うん。みんなで行きたいな』
にこりと笑う苗字がみんなで行きたいと言ってくれるのは間違いなく嬉しい
せっかく記憶が戻って初の花火大会なのに赤司と2人きりじゃなくていいのかは引っ掛かるが、彼も苗字がそう言うのであれば受け入れてくれるだろうと、高尾もつられて笑う