第25章 進級と遭遇
「なあなあ名前ちゃんってさ、赤司のどこが好きなの?」
『…急にぶっこんで来たね』
「男ばっかで恋バナする機会ないんだから聞かせてくんねー」
『いや、だからって…うーん?』
「中学のバレンタインのとき言ってたのって赤司のことだろ?」
『うん。いやそう。そうなんだけど、今更すぎない?』
「いーじゃん!ナゲットあげたろー」
『やす』
「恋バナに飢えてんの!みんなバスケばっかだし!」
『…いやまあ、人並みじゃない?隣にいるならあたしがいいなと思っただけだよ』
「へー!一目惚れとかは?ねえの?」
『整った顔だなとは思ったけどね…まあちょっと、驚きの方が勝ったかな』
「驚いた?」
『色々あるんだよー』
紙の包みを開けハンバーガーにかぶりつく苗字を高尾が不思議そうに見ていた
そりゃあ漫画の中の人物が急に現れたら驚きの方が勝つだろうと、噛み切れずついてきたレタスを口に入れながら当時を懐かしむ
あの頃はこんなとんでもない事態になっていると想像していなかったと飲み込むと、高尾の質問はまだあるらしくまた問いかけてきた
「赤司とデートしてんの?」
『ぼちぼち?』
「赤司ともいいけどオレとも遊んでくれよなー」
『予定が会えば全然遊ぶって、あと征十郎から許可下りれば』
「あー赤司からの許可厳しそうだな」
『ご飯くらいなら平気だと思う。さっき「気を付けて」って連絡来たし』
「ふーん」
飲み物をずーと音を立てながら飲む高尾は、子供のように頬を膨らませて淡々と説明する苗字を見る
そんな彼女と目が合うと、口からストローを離して頭の後ろで腕を組んだ